研究テーマ

21世紀,人工知能が発展し,人生100年時代がうたわれるこれからの社会では,教育→仕事→引退という既存のライフモデルにしばられることなく,私たちひとりひとりが,深い興味をもつ活動に情熱を注ぐことが期待されます.そのような時代において,アマチュアであること,遊びや趣味によって人生を輝かせることは,ライフデザインの選択肢として重要性を増すと考えられます.

こうした背景をもとに,趣味のコミュニティに着目しながら,アマチュアや趣味を支える社会環境のあり方について研究しています.趣味はクラブサークルといった伝統的なコミュニティのなかで実践されることもあれば,デジタル・テクノロジーの発展の結果として,SNSのような新しいコミュニティにおいて実践されることもあります.こうしたコミュニティが,どのようにアマチュアの趣味を支えているのか,文化創造を生むにはどんなコミュニティのあり方が望ましいのか,といった問題に取り組んでいます.

オーケストラ
Photo by Pete Ashton - Trust Waikato Symphony Orchestra 10 (2008) / CC by 2.0
写真家
Photo by Grenael Piaser - Photographer (2011) / CC by 2.0

具体的には,これまでアマチュア・オーケストラ団員の方々にライフヒストリー・インタビューを行い,団員の方々の興味の深まりと,団体=コミュニティの関係性について分析してきました.現在は,団体活動であるオーケストラと対比させる形で,アマチュア写真とInstagramなどのSNSを視野に入れた調査を進めています.

学校に着目する教育学,職場に着目する経営学に対し,遊び場に着目した学術研究はこれまで体系化が進んできませんでした.少しずつ,アマチュアや趣味,遊びについて探求する学問を形づくっていきたいと考えています.